2016.10.31

税制改正大綱

今年も残すところあと僅かになってきました。毎年12月中旬頃になると翌年度以降の税制をどのように変えるかをまとめた「税制改正大綱」が発表されます。「税制改正大綱」は法案として成立しているものではありませんが、これを読めば概ね翌年の税制改正の方向性を知ることが出来ます。今回は税制改正までの流れを簡単に解説したいと思います。

まず、8月末ごろまでに各省庁が税制改正の要望を財務省に提出します。10月頃に与党の税制調査会が各省庁や業界団体の要望を調整し、11月頃に委員会や総会で議論を行います。その内容を与党の税制調査会が「平成〇〇年度税制改正大綱」として発表します。その後、与党の税制改正大綱をたたき台にして、財務省と総務省が「平成〇〇年度税制改正大綱」を取りまとめ、年明けに「平成〇〇年度税制改正要綱」として閣議決定され、最後に税制改正法案として2月の通常国会に提出され、3月末までに成立・公布、4月1日に施行となります。以前の自民党政権では、与党の税制調査会が税制改正について大きな力をもっており、業界団体の要望をとりいれることで票につなげているとの批判を受けることもありました。「税」は国民にとって公平であることが重要です。一部の人だけが得をするのではなく、広く公平な税制を望むところであります。