2021.10.15

適格請求書発行事業者の登録申請の受付開始

令和5年10月1日より消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。
それに先駆けて、令和3年10月1日より適格請求書(インボイス)を発行できる適格請求書発行事業者の登録申請の受付が開始されました。

インボイス制度の内容の前に、現在の消費税の仕組みを簡単にご説明したいと思います。
八百屋さんを想像してみてください。
八百屋さんが卸売市場から野菜を10万円+消費税8,000円で仕入れたとします。
その後、八百屋さんはその野菜をお客さんに30万円+消費税2万4,000円で販売したとします。
この八百屋さんが決算の際に納付する消費税は、販売の際にお客さんから預かった消費税2万4,000円から
仕入れの際に支払った消費税8,000円を差し引いた1万6,000円となります。

(販売時の消費税)-(仕入時の消費税)➡ 24,000-8,000=16,000円(納付する額)

 インボイス制度が始まると、適格請求書発行事業者に対して支払った消費税のみが
販売した際にお客さんから預かった消費税から控除することができることとなります。
上記の八百屋さんであれば仕入先の卸売市場が適格請求書発行事業者で無ければ、支払った消費税分8,000円は決算の際に、
預かった2万4000円の消費税から控除することが出来ず、結果納付すべき消費税が8,000円増えることとなります。
(販売時の消費税)-(仕入時の消費税)➡ 24,000-0=24,000円(納付する額)

 ただし注意が必要なのは、この適格請求書発行事業者の登録を行うと、強制的に消費税の課税事業者になってしまいます。
消費税は大雑把にいうと2年前の課税売上が1,000万円以下の事業者は免税事業者といって消費税を納める義務がありません。
インボイス制度が始まり、適格請求書発行事業者になると、そういった従来なら消費税を納める義務が無かった事業者も消費税を納めなければならなくなります。

 自社が適格請求書発行事業者になるか否かだけでなく、取引先が適格請求書発行事業者になっているか否かによっても消費税の納税額が大きく変わるため、
特に今まで免税事業者であったような小規模な事業者との取引が多い場合(例えば建設業における一人親方etc.)には特に注意が必要です。