Column
コラム

またまたインボイス制度の見直し ~2割特例が3割特例に?~

2026/7/16

またまたインボイス制度の見直し ~2割特例が3割特例に?~
※このコラムの改正内容は個人事業主限定です。

令和5年10月にスタートしたインボイス制度。今回で3回目の確定申告を終え、「ようやく慣れてきた」という方も多いのではないでしょうか。
もっとも、この制度は始まったばかり。実務の混乱や影響の大きさもあり、現在も見直しが続いています。

その中で、令和8年度税制改正の注目ポイントの一つが「3割特例の創設」です。
現行制度では、「2割特例」と呼ばれる措置がありますが、これは本来は免税事業者であった方が、インボイス登録により課税事業者となった場合、売上にかかる消費税の 2割だけを納税すればよい というものです。

例えば、売上800万円(税抜)の場合
➡ 800万円 × 10% × 20% = 16万円

このように、納税額を大きく抑えることができます。ただし、この2割特例は令和8年9月30日までの課税期間で終了します。
個人事業主の方にとっては、今年が最後の適用年となる点は要注意です。

そして、2割特例の終了後の令和9年・10年については、個人事業主に限り、新たに 「3割特例」 が設けられます。

先ほどの例でいうと、
➡ 800万円 × 10% × 30% = 24万円

と、納税額は増えるものの、通常計算と比べれば依然として軽減措置といえます。

ただし注意したいのが、3割特例が必ずしも有利とは限らないという点です。
特に、簡易課税制度で第1種(卸売)や第2種(小売)を選択できる業種の場合、
簡易課税の方が有利になるケースも十分にあり得ます。

つまり、「3割特例にすれば安心」という話ではなく、自分の業種・利益率に応じた判断が必要です。

インボイス制度は、導入して終わりではなく、
今後もしばらくは細かな見直しが続くと考えられます。
今回の3割特例も含め、どの制度を選ぶかで納税額は大きく変わる可能性があります。
「なんとなく」で選択するのではなく、一度シミュレーションを行うことをおすすめします。
判断に迷う場合は、ぜひ税理士にご相談ください。

※なお、免税事業者からの仕入に係る「8割控除」の見直しについては、下阪税理士の令和8年1月6日のコラムをご参照ください。