2019.10.01

家族信託

先日 家族信託のセミナーに参加しました。

家族信託は相続対策の新たな手法として注目されています。

注目される背景にあるのは、認知症を患う高齢者の方が増えていることです。4人に1人は認知症になると言われていますので、夫婦の両親4人のうち、1人は認知症になるかもしれないということです。

仮に、お父さまが先に亡くなられ、残されたお母さまがおひとりで自宅にお住いで、もしお母さまが認知症になられるとどうなるのでしょう。判断能力がなく、本人の意思確認ができないということで、定期預金が解約できず、相続対策で教育資金の贈与もできません。また、介護施設へ移り住むために自宅を売却しようと思っても、いろいろな制約があり、なかなかうまく進まないようです。

そこを何とかするのが、家族信託の活用です。認知症と診断される前に、まだ本人の意思確認が取れる状態の時に、家族信託の契約を信頼のおける家族とかわすことで、様々な対策をとることができます。

簡単に仕組みをご説明しますと、まずはお母さまを委託者・受益者とし、信頼のおける家族を受託者とします。預金の一部や不動産を信託財産として登記等の手続きをすることで、その預金も、不動産売却による代金もお母さまのために使えるようにします。
また、一部の信託財産について受益者に孫を指定することで、教育資金の贈与を信託契約することも可能です。

ほかにも相続対策における家族信託の大きなメリットとして、1次相続で配偶者を受益者とし、2次相続で特定の子を受益者に、3次相続で特定の孫を受益者と指定すること(後継ぎ遺贈型の受益者連続信託)で、不毛な争続を避けることができます。

ご自身のお父さま、お母さまの認知症についてご心配な方、私たち税理士や専門家と一緒に相続対策を考えていきましょう。

佐藤 裕子